アベロックス錠の投与期間
「本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、
原則として感受性を確認し、
疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。」
とあります。
では、実際何日間ならOKなのでしょうか?
特に調剤薬局の薬剤師なら、
医師が処方する抗生物質の
処方日数について悩まされたことがあると思います。
一度に長期の処方日数が記載されているものと異なり、
抗生物質が含まれている処方せんの場合、
数日単位の処方のが繰り返されたりして、
トータルで投与期間が長くなってしまうケースも見受けられ、
投与期間が長すぎないかどうかのチェックは大変です。
ある患者さんが、数日分の風邪の処方せんをそれまで3回にわたって持参され、
4回目の処方せん受付のときのことです。
アベロックス錠がトータルで10日間すでに処方されていました。
調剤していた同僚が、
「アベロックスがかなり長くなりますけど、いいですか?」
と聞いてきました。
アベロックスには、投与期間の制限の記述があるとのこと。
僕としては、上述の添付文書の文章を頭に浮かべながら、
患者さんとお話してみて、改善が見られているようなら、
最後のダメ押しの処方ということも考えられるので、
患者さんとの会話から疑義紹介の必要性を探ろうと考えていました。
いつも、そんな感じです。
これは当たり前と言ってしまえば、それまでですが、
それ以前の薬歴管理がなければ成立しないので、
薬剤師の重要な職能のひとつだと思います。
そのときの処方せんだけでは、判断できません。
ところが、同僚の話のように、
アベロックス錠では上述の文章以外に、
「更に,本剤の投与期間は,
原則として皮膚科領域感染症,咽頭・喉頭炎,扁桃炎,急性気管支炎
及び慢性呼吸器病変の二次感染に対しては7日間以内,
肺炎及び副鼻腔炎に対しては10日間以内とすること。」
というものがあります。
「正直言って、見落としていましたー」
同僚に感謝です。
今回は副鼻腔炎の患者さんだったらしく、
疑義紹介の上、他の抗生物質へ変更になりました。
抗ウイルス薬のゾビラックスやバルトレックスなどでは、
例えば、
「帯状疱疹の治療においては、本剤を7日間使用し、
改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、
他の治療に切り替えること」
などといった、文章があることは頭にありました。
しかし今回、
抗生物質や抗菌剤で日数に関する具体的記述は
初めて見ました。
その後塩野義製薬のMRさんが訪問されたときに聞いてみると、
アベロックスは切れが良い薬剤というのが売りのひとつで、
添付文書に記述された日数以前に効果が認められるはずで、
それ以上の投与は耐性菌発現の観点からも、
勧められないとのこと。
ただし、「原則として」という言葉が入っているので、
経過によっては可能な場合もあるかもしれないとのこと。
このことも、審査側の先生によっても意見が異なるので、
良いともダメとも言い切れないとのこと。
具体的な日数はの記述は、厚生労働省から通知があったとか、
そういう方向の理由によるものではないそうです。
なので、比較的最近発売された抗菌剤ジェニナック錠にも、
具体的な投与期間については記述されていませんね。
ただでさえ「必要最低限」の基準はドクターによっても異なってますし、
アベロックス錠のように目安が記載されていると、
診察ができない職種の薬剤師にとって、
疑義紹介がしやすく、助かりますねー。
他の抗生物質に関しても、
この記述と大きく区別しなくてもいいのかなー、
というのが僕の基本的な、また勝手なスタンスですが、
薬や疾患、処方医、患者の状態によって、
今後も見極めていこうと思います。
疑義紹介に迷うラインが一番嫌ですよねー。(~_~;)
新しい薬を使う場合、添付文書に目を通すように心がけていますが、
同じような添付文書で、特徴を見つけにくい中、
今後も見落としがないようにしていかなければと、
改めて考えさせられました。
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