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旭川の薬剤師道場

ここは薬剤師(特に自分)修行の場。 見学・修行、ありがとうございます<(_ _)>

出産エピソード その7

その6からのつづき>

何回かのいきみのあと、ドクターから、
「狭いところを通るときに、赤ちゃんの心音が下がるので、
このままあまり長い時間はかけたくありません。
ですので、出口の切開と吸引をしようと思います。」
との説明がありました。

会陰切開も吸引も良く聞く話なので、特に心配もしませんでした。
サクション(吸引)の機械とチューブにつながれた頭を吸い取るカップが、
近くに運ばれ、先生は会陰の切開を始めたようで、
頭側に付き添っていた僕には、
ドレープ(覆布)ごしに鮮血がDrの グローブについているのが少々見えました。
妻に痛みはまったく無いようです。

そしてまた、いきみの指示が出て、 妻は力を入れ始めました。
1−2回、サクションのカップで引っ張るものの、出てきません。
そんな中、妻は突然涙をボロボロ出し始めました。
僕も含め病院スタッフの方々も、特に何も起こっておらず、
このタイミングの涙に、「なぜ?」の
表情とともに少々笑っていました。

それまでも、僕は妻をリラックスさせようと思い、
なるべう笑わせるようなことを 何度か言っていたのですが、
そのときも安心させなければと思い、
「まだ生まれてないから、泣くタイミングじゃないよー! と言いました。
スタッフの方も、心配いらないことを言ってくれ、
妻の笑いも出て、少し、その場が和んで、再度いきみました。

「自分のいきみが下手なせいで、赤ちゃんが出てこられないのでは?」
というのが、妻の涙の理由だったようです。
痛みや力が入っているかの感覚が無いからですねー。

その後カップに吸引されて、すぐ赤ちゃんが出てきましたー!
泣き声とともに出てきた赤ちゃんを見て、
Drは「思ったより小さいけど、元気だ、元気だ。」と言ってくれました。

赤ちゃんは、横で軽い処置を受けて、妻のもとにやってきました。
なんとも言えない感動の、妻と僕でしたが、
突然何かのスイッチの入った感じのDrの声が部屋の中に響きました

出血!

その8へつづく>

出産エピソード その6

その5からのつづき>

それからしばらく「無痛」のおかげで、
分娩までの間、妻や妻の母と談笑をしていました。
本人にも「時間があるから寝たほうが良いよ」と言い、
妻も僕に「仕事もあるから、少し寝たら?」と言ってくれたりしていましたが、
楽しみや、不安、興奮などが入り混じって、眠る気分にはなりませんでした。
もう一人、立会いに来ていた妻の母だけが、やはり、経験者!
2−3度、ソファーでウトウトしていました。

分娩までの間は、1時間ぐらいごとに、妻の診察のために
分娩ルームから 外で待つ人のためのソファーのところへ出されていました。
5分ぐらい経つと、呼び戻されて、
分娩ルームに戻るというのを 何度か繰り返していました。

診察では、子宮口の広がり具合と、
赤ちゃんがどのぐらい降りてきているのかを 確認していたようです。
無痛分娩では、ある程度赤ちゃんが出口方面まで降りてくるまで待ってから、
分娩タイムという形になるようです。

何度か出されるうちの最後の頃に、戻ってくるとモニタ類の場所が変わったり、
器具が増えていたりしたので、
「次あたりは分娩かな?」 などと、想像していました。

そしてその後呼び出されたときには、完全な分娩体制に入っていました。
本人には特に変化は無いのですが、
さらに赤ちゃんを寝かせる照明のついた装備や、 器具類が増えて、
周りがそういう雰囲気になっていました。

いよいよ、分娩です。

妻は痛みも無いので、いたって普通ですが、
助産師さんから教えてもらった、いきみ方を始めました。
「吸って吐いてを繰り返し、大きく息を吸って、息を止めて、おしりに力を入れる」
といった感じでした。

妻は、感覚が無く、うまくできているのかが分からないようでした。
合図とともにいきんで、
頭が見えてきましたよ!
との声。

いよいよかと思いましたが、その後いまひとつ先に進みません。
何回かのいきみのあと、ドクターから、
「狭いところを通るときに、赤ちゃんの心音が… 」

その7へつづく>

出産エピソード その5

その4からのつづき>

マニュアル本の「出産に役立つ3点グッズ」とは、
「うちわ」、「ハンドタオル」、「ジュースとストロー」
「うちわ」は、がんばっていて暑くなっている妊婦を涼しくしてあげるもの。
「ハンドタオル」は、出産中にぎりしめたり、汗を拭いてあげるもの。
「ジュースとストロー」は、出産は長時間にわたることもあるので、
その間のどが渇いた妊婦に飲ませてあげるもので、
ストローがないと飲むのは難しいので、必須アイテムとのことでした。

そこで、家にある製薬会社から夏にもらった「うちわ」と、
「ハンドタオル」を探し出し、
妻から頼まれたデジカメとその充電器をカバンに入れて、
タクシーに乗りました。

病院近くのコンビニで、「ジュースとストロー」、
自分の朝食のおにぎりを手に入れ、 病院へ向かいました。
降り続く雪のせいで、夜中も除雪車が動き回っていました。

病院の裏口からインターホンで入館が許されると、
エレベーターで昇り、
その階の他の病室などから区切られた玄関のような所で、
雪が少しついたブーツからスリッパに履き替えて、
分娩ルームがたくさんあるところに、通されました。

分娩ルームは、トイレやクローゼットもあり、
想像していた手術室っぽい ものではなく、リラックスした感じでした。
帝王切開では違うのでしょうが、
移動可能な分娩台やモニタなどの 医療器具が必要最小限ある感じで、
とてもシンプルな感じの空間でした。
無駄な心配をしなくて良い感じなのでしょうね。

そこでは、妻が分娩台の上に横になって、助産師さんと談笑していました。
妻が笑っているのを見て、
「もう、背中にチューブが入ったのかい?」
と聞きました。
「うん」と妻。
助産師さんが、来ていきなりの言葉に笑っていました。

以前から、無痛分娩をお願いしていました。
そのとき気付いたのですが、
無痛というのは分娩だけではなく、
陣痛の痛みもしばらく取り除いてくれるんですね。


これは、ありがたい!
「これから出産を控えてる奥さん、お買い得ですよー!

もちろん、分娩の痛みを感じておきたい方もいらっしゃると思いますが、
一つの選択肢として…
妻も、無痛分娩にして良かったと言っています。

無痛分娩は脊椎にチューブを入れて、麻酔薬を注入します。
分娩まで時間があったため、
「注入する麻酔はマーカインかー…」など、
久々の病院に血が騒ぎ、
薬剤師の自分は あちこちの薬品やモニタなどを見て歩きました。

麻酔は痛みが出てきたら、注入してくれます。
妻の場合は、90分から2時間間隔ぐらいのペースだったと思います。

それから、頼まれていたデジカメと充電器をカバンから出し、
持ってきた「3点グッズ」を自慢げに見せたところ
助産師さんに、
「無痛分娩では、飲み物は飲めないんです。」
「うちわはその辺にあったような…」
「タオルはこれを使って下さい」 と、
冗談交じりに助産師さんに却下されてしまいました。
助産師さんも含め、その場がなごみましたので、
ナイスな3点グッズだったと思います。

でも、「ジュースとストロー」は分娩後や入院中に役に立ちましたよー!

それからしばらく「無痛」のおかげで、…


その6へつづく…>

出産エピソード その4

その3からつづき>
妻に起こされて目覚めると、
「病院に電話したら、
とりあえず来て下さいと言われたから行ってくるね。
とのこと。

僕はタクシーの妻を見送り、さすがに目は覚めましたが、
まだ頭の中半分は、陣痛ではないのではないかと考えながら、
いざというときのために、出産のマニュアル本を読んでいました。

実は後から聞くと、このときの病院からの返答は、
「出産(入院)の準備をして来て下さい」
と言われていたそうで、 妻は気を遣って、
一人で病院へ行ってくれたようでした。
僕だけが、
「まだ、陣痛ではないのではないか…」
と、無駄な推測をしていたようです。

妻は病院に着くなり、
「一人で来たんですか?
と迎えて下さった看護師さんが驚いていたそうです。

そうです。
家には、無駄な推測をしているバカ亭主がマニュアル本を読んでいました。
それからしばらくして診察を受けた、妻から電話があり、
「破水していたみたいで、これから早ければ朝までに生まれるらしいので、
デスクの上のデジカメと充電器を持ってきて。お願いします。」
と言われました。

妻が落ち着いていたので、少し安心しました
夜中の1:49の着信でした…
「おりものの少し量が多い感じの…」
というのが、 実は破水だったんですね


僕は急にエンジンがかかり始めました。
陣痛が始まったら知らせる約束をしていた、 父親に連絡して、
その旨を伝えました。

そして、長丁場になるだろうと、明日の仕事にすぐ行かれるように、
シャワーを浴びました。

すっかり酔いも覚め、
さっき読んでいたマニュアル本の「出産に役立つ3点グッズ」 を思い出しました。


その5へつづく…>

出産エピソード その3

その2からつづき>

家に着くと、妻からまず「カステラは?」と聞かれ、
忘れていたことに気づきました。
ほろ酔いで、苦しい言い訳をしていましたが、
妻は笑って許してくれました。

その後しばらく、テレビを見ながら今日の定例会の
会話を振り返ったりしていました。
そうすると、午後11時過ぎぐらいに、
「おりものの多いような感じのものが出た」
と、 トイレから妻が出てきました。

下痢のひどいときのようにお腹も痛いとのことでした。
以前から、妊娠中の便秘がひどく、
何度か酸化マグネシウムを服用していました。
それが原因らしい、お腹が痛い表現はよくあったので、
いまひとつ、陣痛と結びつけて考えていいのかは、
本人にとっても自信のないところでした。

自信のないことに加えて、
「陣痛が始まっても間隔が長い場合は、
病院へ行っても することが無いので、待ってるだけだとか」
「欧米では陣痛間隔が長いと、家に一度帰らされる」
などの経験談や噂もあったことと、
夜も遅くなったので病院スタッフにも申し訳ないという気持ちのために、
相談の上、少し様子を見ることにしました。

「横になってたら楽になるかもしれないし、様子を見よう!」
と、 二人でベッドで横になっていましたが、
僕だけほろ酔いで、気分良く寝てしまいました。

目覚めたのは、少し辛そうな妻の声でした。

その4へつづく…>